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鍋嵐へ(ゴジラの背尾根) [丹沢]

新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。

新年登り初めとしてどこへ行こうかと考えていたのですが、
正月休み最終日ということもあり、翌日に影響のないよう
小さめの山行へ。でも骨もある山へということで鍋嵐に
行ってきました。ピーク自体は2度目ですが、ルートとしては
気になっていた通称「ゴジラの背尾根」から登ってきました。

こういうギザギザのヤセ尾根が続いて行く尾根です。
DSC_0055 (800x450).jpg

*この尾根の周辺は熊の襲撃、滑落死亡事故、道迷い等
 危険な地域として知られている場所で、丹沢の中でも急峻で
 複雑な地形をしています。入山される場合には装備、調査を
 十分にしてください。こういうルートに経験のあまりない人は
 立ちいらない方がベターだと思います。

参考 鍋嵐へ。
http://trekkeng.blog.so-net.ne.jp/2011-01-10

左上から南下し、U字型にルートを辿って辺室山を経て歩きました。
P1050861 (600x800).jpg

前日から少しナーバスになるような計画でした。この尾根の
ある宮ケ瀬地区は熊の目撃や襲撃が報告されている場所で
すし、最近滑落死亡事故も発生している場所でもあったから。
でも十分調べたし、「ゴジラの背尾根」も登りで使うぶんには
道迷いも滑落も避けられると確信をして出かけたのでした。

相変わらず寒~い朝、湖の畔はまた凄く寒かった。バスから
下りて取付点までは1時間程度歩く必要があったので、
ウォーミングアップも兼ねてペースアップ。橋を越えて取付点へ。

橋の向こうにギザギザが
P1050807 (800x600).jpg

適当に取付いて稜線に乗ります。するといきなり反対側は
ほぼ垂直で地面が見えないような傾斜の崖。ん~さすが。。
登っていくと間もなく大山三峰山らしいヤセ尾根へ。この先
続くはずなので、慣れるようにゆっくり確実に。

こんな感じがずっと。
P1050816 (600x800).jpg

慎重に地形図を読みながら進んでいくとp677へ。丁寧に
歩いていることもあり疲れはありません。そしてちょっと
ピークから下るところで「ん??」と思うことが。熊の足跡。
砂地にくっきりと。それまでにも真新しい量の多い糞が
ありましたが、やっぱり冬眠もせずに活動しているんで
すね。

熊の足跡。右側が進行方向。大きさは僕の手より一回り
大きく、丸くしたような形。
P1050825 (800x600).jpg

この先も相変わらず嶮しいヤセ尾根が続いていきます。
P1050834 (600x800).jpg

そうしてようやく珍しい通称の「Jピーク」。なにやら
洒落た呼称ですね。実は僕、Jピークについては一つ
手前の尾根が派生しているピークをJピークと勘違いして
しまいました。まだまだですね、結構ショックでした。最近
自信を持ってきていたのですが、年頭に初心に戻れて
良かった。「地形図に載っている尾根が見当たらない」と
疑問を持っていたのですが・・・。やっぱり疑問を?のまま
残してはいけないですね。仕事と一緒。勉強になりました。

そして本当のJピークへ。
P1050835 (600x800).jpg

Jピークの前後、それまでよりもさらに嶮しくなっています。
加えて嫌なのが、急峻な岩の上や地面の上に砂や砂利が
乗っている個所が連続します。両側は切り立っているので
ミスができない場所。手や足で砂利をどけたり、
キックステップをして足場を固めたり。慎重にゆっくり進み
ました。木の根や岩を手で掴む時も当然ダブルチェック。

ようやく鍋嵐。本日のメインディッシュを美味しくいただく
ことができてホッとした瞬間です。

鍋嵐山頂
P1050836 (600x800).jpg

ここからは一度歩いているルート。記憶では鍋嵐からの
最初の急な下りがやっかい。慎重に下りて行きました。
そのポイントも過ぎて急だけど気持ちの良い稜線歩きを
楽しんでいました・・・が。。。

熊のベッドじゃないかなぁ・・・?意図的に枯れ葉をどかして
あり、左右上側に向かって足を延ばしていた跡が。
P1050840 (800x600).jpg

この日は本当に熊の影が濃い日でした。同じ個体かどうかは
わかりませんが、とにかくこの周辺を生活基盤にしている
熊がいるのは間違いない。今日は珍しく僕も熊鈴を初めから
装着しています。

そして通称「熊ノ爪」ピーク。もう一般道も間近でホッと一息。
(これが終わりではなかったのですが・・・)

熊ノ爪から宮ケ瀬湖が綺麗に見えました。
P1050844 (600x800).jpg

三峰山主稜線へ向かって歩きだしました。そしてロープが
張ってあるザレた急斜面を下っているとき、三峰山側の
急峻な斜面側でちょっと聞いたことのない「ザーーッ!」
という音が断続的に聞こえました。岩が落ちている音でも
ない、シカが逃げる音でもない。本当に聞いたことのない
音でした。そうなるとそれまでの経緯もあり「熊?」という
確信を持ってしまいました。姿は見ていません。猪かも
しれません。でもそれまでの流れからいってそうなのでは
ないかと。。熊鈴、あった方が良いです。場所によっては。

そんな緊張感とともに登山道へ合流。ここには小さな
お社があるので、山の安全をお願いしました。

一般道合流
P1050849 (800x600).jpg

本当はここから三峰山へ登って七沢温泉へ下りる予定
だったのですが、ちょっとした出来事があり三峰山を目前に
する個所まで行ってUターン。辺室山を経て土山峠へ下り
ました。

辺室山への稜線上から鍋嵐、ゴジラの背尾根
P1050854 (800x600).jpg

こうして緊張の山行が終わり、いつもの「七沢温泉 玉川館」に
よって温泉に入りました。ほぼ1年ぶりの玉川館。もう
最高。緊張した山の後、このとろけるような温泉に浸かって
眼をつぶっていると今年も良い山が楽しめるような気がして。
肌がヌルヌルとするようなお湯に、総ヒノキ造りの風呂場は
八ヶ岳の名だたる温泉にも引けを取りません。今回のルートは
お薦めできませんが、ここは100%お薦めできます。

今回も濃い内容の山行でした。安全第一、1年間また山を
楽しみたいと思います。
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よしころん

あけましておめでとうございます♪

「ゴジラの瀬尾根」名前だけで近づきたくない尾根ですねぇ~(><)
間違いなく私の苦手な雰囲気・・・
クマさんの気配もバリバリだったようで、何事もなくて本当よかったです。

今年もお互いに安全登山^^ どうぞよろしくお願いいたします♪


by よしころん (2012-01-05 14:17) 

ken_trekking

よしころんさん

明けましておめでとうございます。
ごめんなさい「ゴジラの瀬」ではなくて「ゴジラの背」
でした。。。背中のギザギザの意味です。訂正しました。
熊さん、以前からこの辺りは目撃情報も多い地域ですが
今回は僕としては今までで最接近だったようです。ん~
本当に何事もなくて良かったです。

そうですね、安全第一。楽しみましょう!
by ken_trekking (2012-01-05 19:00) 

おど

熊ですか・・・。 出るのですねぇ。 自分は怖くて、鈴を大きな音で鳴らして行きますが、効きますかねぇ。
by おど (2012-01-05 20:55) 

Umi-Bozu

職場の同僚が大学時代、ここの熊の生息調査をしたそうです。たぶんエリアから考えて同一個体でしょうね。熊の縄張りは広いと思うので・・・ それは別として、とにかく丹沢のバリルートは私には無理です。同じドキドキを味わうなら赤岳で滑落のほうが・・・(笑)
by Umi-Bozu (2012-01-05 21:47) 

Jetstream777

ゴジラの背尾根にクマが?  単独行の場合は、こういうときに心細くなりますね。  まづは無事の下山、温泉でほっとされたでしょう。 !(^^)!
by Jetstream777 (2012-01-05 22:00) 

元山陽ちとせ

宮ヶ瀬湖やヤビツ峠は自転車でときどき行きますけど、
すぐそばにこんな尾根があったんですね~
熊も居て、スリル満点?ですね。
by 元山陽ちとせ (2012-01-06 00:17) 

ken_trekking

おどさん
捕食するわけでもないので、大型の哺乳類である人間と
意味もなく争うということはないのではないかと考えると
争わざるを得ない状況を作らないことが肝要じゃないかと。
とすれば、やはりこちらの存在を出来るだけ早く知らせる
手としては効くんじゃないかなぁと思っています。やっぱり
沢での遭遇が多いですからね。

Umi-Bozuさん
そうだったんですか?もし同一個体だとすると、去年
小熊を守るために人を襲撃した熊ということに。特殊な
状況なのであくまで人を食べ物としては見ていないですね。
丹沢は現在進行形で崩壊しているので、ザレ・ガレが
必然的に多くなってしまっているのかもしれません。でも
大丈夫ですよ。

Jetstream777さん
こちらも急傾斜を下っているときだったので、ちょっと
ヒヤヒヤしました。動きを止めて耳を傾けていました。
でも姿は見てはいないのですが、あの重いものが
ずり落ちていくような音は・・・

元山陽ちとせさん
先日も片山右京の番組で宮ケ瀬出ていましたね。ヤビツは
特に坂バカが多いですし。熊はいて当然の環境なのですが
こちらとしてもできれば遭いたくないです。。
by ken_trekking (2012-01-06 07:46) 

nousagi

新年早々大変な山行だったんですね。
最近の熊さんは冬眠しないんですかね?
鈴だけではなんだか心もとない気もします。
笛をピーピー吹いたり、
大音量でラジオを流したり、
この際、ハイトーンで歌っちゃったり・・・。(^^ゞ
今年もよろしくお願いいたします。
by nousagi (2012-01-06 18:43) 

のら人

これは ・・・ ゴジラ?
これは、・・・ この道は ・・・ 修羅の道 ・・・ ですよね。
所謂、変態道。 ^^; 
kenさんとnousagiさんやあと数人の限られた方だけですが、更に変態の輪!?が増える事を願っております。(爆) 
冗談はさておき、今年も宜しくお願いします。 ^^
by のら人 (2012-01-06 21:03) 

ken_trekking

nousagiさん
熊については今までで最高に接近した感じではないか
と思います。熊の寝床は初めて見ました。それと決まった
わけでもないのですが、大きさといい、横になった時に
ちょうど手足を伸ばしたような形といい。。。
まぁ高さとしたら「本日の最高到達点817m」という
かんじなんですよ(笑)

のら人
いやぁ変態道の入口じゃぁないでしょうか(笑)この辺を
遊び場にしているおじさん達はこういう尾根をわざわざ
急峻な谷を上り下りして横断したりしているようです。
でもここ3年程のそういうパーティの事故率がちょっと
高過ぎる。難しいですね、どこまでやるか?
by ken_trekking (2012-01-07 09:17) 

山子路爺

今晩は。
う~ん、相変わらず私には思いもつかないルートですねぇ。
丹沢もふところが深いですねぇ。
by 山子路爺 (2012-01-07 22:29) 

ken_trekking

山子路爺さん
丹沢はアルプスや八ヶ岳みたいな高山では
ありませんが、山域も広いし変化にもとんで
良い山だと思います。だから通ってしまう
んですかね(^.^)

by ken_trekking (2012-01-08 11:08) 

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