ちょっと怖い話。

以前見かけた、ちょっと怖い話。怖い話が苦手な人は
読まないでください。

以前雑誌で読んだか、TVで観たか忘れたけれども、印象に
残った丹沢関係の怖い話。

大学生が、丹沢の連続行動東西横断を計画して山中湖方面の
石割山から歩いた時のこと。午後3時頃石割山を出発し、順調に
歩いていた。あの辺は標高が高い地点から出発できるので、きつい
登りを経ずに気持ちよく歩くことができる。そのうち夜になり大室山
を通過したのは、もう真夜中。ただ、その学生、ちょっと足が痛く
なってしまい、かつ思うように水を補給できなかったため、迷いに
迷った挙句、犬越路から下山することにした。犬越路からの
路は勝手知ったる路だったのと、下山することにしたため、
ピーンと張り詰めていた神経も少し緩んで、周りの物音を
聞こえるようになり、視界もやや広がったようだ。ガサガサッ
という鹿の足音、不意に飛び立つ鳥の羽音。自分の踏み
折った枝の「バキッ」っという音。ひとつひとつが心臓に
良くない。

犬越路避難小屋は誰も泊まってはいないようで、人気もなく暗く
佇んでいる。人のいる建物は明るく、雰囲気のいいものだが、
人のいない建物は廃屋のように不気味な様子で見えてくる。


学生は犬越路の名前の由来となった、武田の合戦のことや
山の遭難時には避難小屋はおろくの収容場所となることなど
を思い出してしまい、早く道に出ようと足早に下りていく。
その夜は、月も出ていてほの明るい夜だった。そのうち、
もうじき沢に出るような場所に来たのだろう、「ザー・・」という
沢の音が遠くに聞こえてくるようになり、もうすぐだと学生が
思ったその時、遠くに何か白いものがあるのが見えた。

何かはよくわからない。ただ、歩いていく方向にあるようだ。
その時は学生はちょっと怖い気もしていたが、それほど気に
することもなく、歩いていった。そのうち徐々にその白いもの
に近づいてきたらしく、輪郭が見えてきた。どうやら人のようだ。
こんな夜中に犬越路に向かって歩いて来たのだろうか。
怖い気もしたが、人に会えるということで、なぜか学生は
ホッとした。ただ、妙なことに相手の位置が変わっていない。
おかしいなと思いつつ歩いていく。その「白い者」との距離が
縮まる。すると、当然山道を歩いてきていると思っていた
その「白い者」が若干高い位置にいることに気づいた。
道の起伏がそう見せているのだろうか？学生はどんどん
歩く。「白い者」は動かない。10ｍ程度まで近づいた時
「。。。。。。」。学生は気づいてしまった。見てしまった。
その「白い者」は、山には不似合いなYシャツ姿。そして、
高い場所に見えるのは、それが木からぶら下がって
いたからだった。サラリーマン風の男性の首吊り死体だ
ったのだ。学生は無我夢中で「白い物」のそばを走りぬけ
用木沢出合に走った。鳥肌がいつまでもおさまらなかった。

それ以来、学生は犬越路には行くことができなくなった。

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by スーパーコピー時計 (2020-07-07 17:24)